まえがき
2025年6月、仙台市の旅行会社「ハローワールド」が主催した子ども向けイングリッシュキャンプが中止され、参加費の返金が行われないという重大なトラブルが発生しました。この問題を受け、宮城県は旅行業法に基づき同社の旅行業登録を取り消しました。本記事では、この件の背景と行政の対応、今後の影響について詳しく解説します。
結論
宮城県は、返金トラブルに対する重大な違反を確認し、旅行業登録を取り消す処分を決定しました。これにより「ハローワールド」は5年間、旅行業の再登録ができません。また県は今後、後援制度の見直しも行う方針です。
イングリッシュキャンプとトラブルの経緯
イベントの内容と募集の背景
ハローワールドは、英語を学ぶ機会として県内の小学生を対象に「イングリッシュキャンプ」を開催していました。イベントは宮城県や仙台市の教育委員会の後援を受けており、学校でのチラシ配布を通じて広く告知されていました。
中止と返金問題
しかし、2025年に予定されていたキャンプが直前で中止となり、参加費(1人あたり4~6万円)の返金がされない問題が発覚しました。全国から216件、総額600万円以上の返金が滞っていることが確認されています。
宮城県の対応と処分の詳細
立ち入り調査と法令違反
宮城県は同社に返金を求めましたが、報告がなかったため立ち入り調査を実施。その結果、旅行業法違反など5件の法令違反が明らかになりました。
聴聞と処分決定
県は聴聞の機会を与えましたが、代表者は出席せず、反論の書面も提出されませんでした。これを受けて2025年6月6日、旅行業登録を取り消す行政処分を正式に決定しました。
今後の影響と対策
旅行業界と行政への影響
この件は、旅行業者の信頼性と、自治体の後援制度の在り方に深刻な影響を与えました。宮城県は再発防止のため、後援制度の運用を見直すとしています。
返金対応の救済措置
JATA(日本旅行業協会)は、弁済制度を通じて返金対応を進めており、2025年7月25日まで申請を受け付けています。該当者は速やかに手続きを行う必要があります。
まとめ
「ハローワールド」が主催したイングリッシュキャンプの返金トラブルは、多くの家庭に経済的・心理的な影響を与えました。宮城県の行政処分は、業界の健全化と信頼回復の第一歩といえるでしょう。今後は、旅行業者の適正運営と、行政の支援体制の強化が求められます。